
- 「まえがき」「あとがき」を含めて249ページの新書。
- 一日もあれば読み切ることができるサイズです。
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早速、本書に関する私なりの解説を進めていきたいのですが・・・
まえがきの2ページを読み進めたところで、
いきなり3つもツッコむところがでてきましたので、
いきなり気になったこの3つだけ先に紹介させてください!w
「お金の減らし方」というタイトル・・・
恐らく99.9%の人はお金の増やし方について知りたいと思っているはずなのに、なぜこのタイトル?
「資産運用」とか「個人で稼ぐ」とか「お金の増やし方」に関する本がこれだけ書店をにぎわせている中で、逆張りのタイトルにまずは驚かされました。
本書の目次を最初から抜粋するとこんな感じなのですが・・・

最初のサブタイトル3つのパンチが強すぎ。
著者がどんな人なのかとても気になります。
ただ、自分が考えたことを素直に、そのまま言葉にしている。したがって、その文章が誰かの役に立つかどうかは、僕にはわからないし、ほとんど無関係といって良い。
お金の減らし方/森博嗣
お金の指南書として、こんなこと言っちゃっていいのでしょうか?w
いや、私が勝手に指南書だと勘違いして購入してしまったのか・・・
これら3つのツッコミどころから私は、
- ツッコミ1→お金なんて関係ない
- ツッコミ2→王道から外れた理論
- ツッコミ3→お金の指南書ではない
この様に予想した上で読みすすめることにしたのですが・・・
結果は私の予想がすべて外れていました!!!
本書を読んでみると至極真っ当な主張ばかり。
本書は私たちが(少なくとも私は)忘れていた価値観を呼び起こしてくれる良書であり、著者の主張は一貫しているので大変スッキリしました!
是非より多くの方々に読んでもらいたい本です。
(とっつきづらいとい暴言吐いてすいませんでした🙇♂️)
前置きが長くなってしまいましたが、本題にいきましょう。
私の独断と偏見で本書から3ヶ所引用をさせて頂き、それに対してコメントする形でザックリ紹介します。
本書の概要

サラッと概要だけお伝えします。
一言でいうと・・・
某国立大学の工学部に助教授として歴任するなど工学博士として肩書きがある一方で、アルバイト目的で講談社に応募した小説がいきなり出版することになり、その後も「すべてがFになる」などヒット作を連発した超絶多才人間。
(今回もなんとか一文に収めることができました🙇♂️)
ではこれから3つの要点について解説をしていきます。
3つの要点から学べること

要点1:お金の本質について
まずは本文から引用させてください。
▼ お金は価値を測る物差し
お金というのは、ものの「価値」を仮に数字にしたものであり、それを示す指標でしかない、という点である。
▼ 値段が価値ではない
値段がすなわち価値だ、という安直な認識に長く浸かっていると、高価なものは価値がある、高価なものを持っていれば周囲から尊敬される、というような歪んだ価値観へシフトしてしまうかもしれない。・・・(省略)・・・簡単にいえば、自分の人生を見失っていることに等しいだろう。
▼ ものの値段に左右されないこと
結局は、ものの価値は自身の欲求の大きさによって決定するものだ
▼ 価値は、自分自身の中で育つ
価値は、欲しいもの、やりたいこと、という物体や行為自体にあるのではなく、それを手に取ったとき、それをやっているときの自分に生じるもの、と考えた方が適切である。同時に、それによって自分が高まれば、価値はさらに大きくなる。
お金の減らし方/森博嗣
なるほど。
私なりの解釈ですが、
お金儲けをすることが目的になり、いざお金ができると高価なものを買い、それを身につけ、「どうだおれはすごい価値のある人間だろう」と他人に見せびらかせてしまいがちだが、そもそも「価値=値段」ではなく「価値=自分の欲求」によって決まるものであり、目的と手段を履き違えてはならない。
また価値は自分の体感によってさらに大きくなっていく。
こういうことでしょうか。
また著者は、
大勢の方は、自分のためにお金を使っていない。誰か人に見せるために使っているのである。
お金の減らし方/森博嗣
とも表現しており、この本を読んでいると、見せびらかせるためにお金を使うのはもったいないという思いにさせられます。
私も副業や転職、お金に関する記事を多く投稿していますが、「価値があるもの」の定義については読者にミスリードしないように気をつけていきたいと思います🙇♂️
ちなみに、私は長く勤めた銀行を辞めてフリーランスになったのですが、それは新しいチャレンジの場を求めていたという背景があります。
チャレンジをすることは「お金になる」とか「誰かに認められたい(承認欲求)」とかを目的としているつもりはないのですが、この気持ちはこれからも忘れない様にしていきます。
要点2:収入(仕事をする意味)と支出(欲しいものと必要なもの)について
仕事をする意味について
▼ お金が目的になるのは倒錯(とうさく)
仕事は、お金を稼ぐための手段である。
お金の減らし方/森博嗣
ここでは、欲しいものを手に入れるためにお金が必要であり、そのお金を稼ぐために仕事をするというスタンスがうかがえます。
著者は
目的が本当に価値があるものならば、そこへ向かうための道程が、すべて嫌なものではなくなる可能性がある。
お金の減らし方/森博嗣
とも述べてくれていますが、基本的には「欲しいものがあるなら仕事をしろ、仕事がしたくないならそもそもそこまで欲しいものではないということ」と私は解釈しました。
この点では著者は非常にシビアです💦
まぁおっしゃるとおりですけどね🙇♂️
欲しいものと必要なものについて
▼ 自分で評価する「自分」を取り戻そう
お金は、自分の欲しいものに使う。必要なものよりも、欲しいものを優先しなさい、というのが本書の主な内容だが、それはつまり、自分にとって価値のあるものを得るために使う、ということであり、結局は、それが自分の価値を見つける方法だ、と僕は考えている。
▼ どれくらい欲しいか、が基本
これは必要なものだ、という言い訳を自分にして、無駄な出費をしてしまうことに、多くの人が気づいていない。・・・省略・・・「どれくらい必要か」は問題ではなく、大事なことは「どれくらい欲しいか」なのだ、という理屈である。
お金の減らし方/森博嗣
この表現は正直驚きました。
私は「欲しいものは極力我慢をして、必要なものにお金を使っていく」という著者とはまったく逆の考え方をもっていたからです。
だって贅沢をするとそのうちツケがまわってくるじゃないですか?
でも著者は、
必要なものの多くは、実は絶対に必要というわけではない。なにしろ、それを買う今現在、それがなくても過ごせているからだ。一方、欲しいものは、それ自体でかなり説得力を持つ。
お金の減らし方/森博嗣
確かに。。
「これは必要経費だ」とかなにかと理由をつけてものを買ってしまうことは多々あります。
しかも欲しいもの(≒贅沢)を我慢しすぎると何のために生きているのか分からなくなりますし、欲しいものがあると仕事も頑張れる気がします。
自分の欲求を素直に認め、何でそこまで欲しいのか深く理解することで仕事にも精を出すことができ、欲しいものを手に入れた時の価値も増大する。
私はこの様に解釈しました。
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要点3:自由について
▼ 自分の好きなことをするために
できるだけ早くから、自分の生き方をデザインすることが、とても大事だと思っている。自分はどんな人生を歩むのか、という大方針を早く持った方が良い。・・・省略・・・各自が勝手に、自分の好きなように生きればよろしい。そして、自分が思い描いたとおりに生きることができれば、これこそ最高だろう。それが、自由というものの定義でもある。
▼ 自分が欲しいものを知っていることの強み
人間の楽しみというのは、結局は自己満足なのだ。自分が満足できる状況へ自分を導くことが、つまり人生の目的であり、すなわち「成功」というものである。
なるほど。
自由とは、お金があるとか時間があるとかではなく、自分が設計した人生をその通りに実行でき、そこに自己満足があることを言うのですね。
この定義に基づけば、その設計(デザイン)を明確にすることがなにより大切ですね。
抽象的に「幸せになりたい」だと達成したのか分からないですからね。
また著者は、この様にも言っています。
▼ 他者に認められたい症候群
人に褒めてもらうよりも、自分で自分を褒めること、褒めてもらうことは、はるかに嬉しい。
やはり他者ありきの人生はつまらなさそうです。
他者の価値観に左右される様では自由ではない、ということでしょうか。
ここまで3つの要点について私なりの解説をしてきましたが、
「自分の人生設計をすることによって、自由というとてつもなくフワッとしたものを極限まで具体化することができる」
私は上記の様に解釈しましたが、
本書で最も感銘を受けたのはこの部分の考え方でした。
最後に補足・・・

すいません、いつもはここに箇条書きにしたまとめを記載しているのですが、思想的な要素が強くてまとまりきらなかったです・・・
ここまでだいぶザックリと私の見解を述べてきましたが、本件3点をそれぞれ一文にするとまた解釈が変わってきそうなので、今回は「まとめ」を割愛させて頂きます🙇♂️
最後にもう1つだけ。
私の記事だけだと「ドライな本」の様に感じるかもしれませんが、実際は著者夫婦でお金を工面した場面がいくつも紹介されており、とてもアットホームな本でしたよ。
ここにはほんの一部のみを抜粋させて頂きましたが、著者独特の表現で大変勉強になることがたくさん記載されていました。
みなさんも是非読んでみてください。
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以上です。
さいごに、ここまで読んで頂いたみなさまに感謝🙏