
- 私は銀行に約11年間勤めた元銀行員です。
- 今回は私が現役時代に取得した証券アナリストの資格について解説します。

金融以外で働いている人にとって【証券アナリスト】は馴染みがないです。

- これから受験しようと思っている方はもちろん見てほしい記事ですが、個人の資産運用においても大事な要素がいくつもあります。
- 個人で運用が求められる時代において、知ってるか知らないかでは長い目で見ると大きな違いが出ると思いますので是非参考にしてください。
特にしっかり読んでほしいと思っている方はこちらです。
※積立放置とは・・・一旦ポートフォリオを組んであとは都度投資判断をせず毎月の積立条件を確定させその後相場がどうなろうと全自動で長期投資をすること
証券アナリストの資格とは?協会の認定とは?

でははじめます。
証券アナリストとは、
一般的には公益社団法人日本証券アナリスト協会(以下証券アナリスト協会)が認定している人のことをいいます。
もう少し細かくいうと、
一次試験と二次試験に合格して実務経験が3年以上の人が証券アナリスト協会に認定される仕組みになっているので、この全てを充足した人が一般的にいう「証券アナリストの資格をもっている」という状態です。
一応、証券アナリスト協会HPを引用させてもらうとこちらの通りです。
証券アナリストとは、証券投資の分野において、高度の専門知識と分析技術を応用し、各種情報の分析と投資価値の評価を行い、投資助言や投資管理サービスを提供するプロフェッショナルです。
公益社団法人日本証券アナリスト協会
念のためWikipediaのリンクも貼っておきますね → Wikipedia「証券アナリスト」
活かせる仕事・業種・場面など

資格をもっていると活躍できる仕事・業種・場面など
私の実務経験上、
- 「知識を活かす」という目的なら金融業界全般的に活躍ができ、宝の持ち腐れにはならないと思います。
- また、特定の職種(マーケットアナリスト、ファンドマネージャー、M&Aアドバイザー、産業調査をする部署など)においては保有していないと色々とマズそう(※)ですかね。
※保有していなくても業務遂行できると思いますが「何で資格とってないの?」的な雰囲気になってしまうと思いますw
- 名刺などに「証券アナリスト」という文字を入れられたらカッコいいという目的で受験する人が結構いらっしゃる様な気がしますが、個人的にはほとんど自己満レベルだと思いますw
- お客さま目線、金融の担当者なんて頻繁に変わるのでいちいち覚えていません。(私も名刺を作り直すのが面倒だったので記載しませんでした)
基礎講座の内容は自身の資産運用にも活かせる
証券アナリストの試験勉強を通じて幅広い資産運用知識が学べます。
例えばこのあたりです。
ザックリと分野だけ書いたのでピンとこないかもしれませんが、
これらの知識を有していることで例えば「自分の資産をどこに何%運用すべきか」「現在の株価が理論上割高なのか割安なのか」などをより深く理解することができます。
資格をもっていれば転職にも有効であり年収アップも期待できる

知識があればお得ということは理解した。
では「証券アナリストの資格をもっている」という事実はどういうメリットをもたらしてくれるの?

- 業界人(ファンドマネージャーなど)以外の人にとって、「知識以外に役立てる」とすれば転職です。
- もちろん「保有しているだけで採用」にはなり難いと思いますが、保有必須条件ならクリアできる点、それなりに難易度の高いメジャーな資格なので取得した経緯を面接などで評価される点など、効果は期待できると思いますよ。
- 資格の難易度的にも年収アップが期待できそうです。
資格試験について(一次試験・二次試験あり)

- 一次試験と二次試験の二段階で構成されている
- 一次試験・二次試験ともに、証券アナリスト協会の通信教育講座に申し込まないと受験資格が得られない
試験日程
試験 | 一次試験(春) | 一次試験(秋) | 二次試験 |
---|---|---|---|
申込受付期間 | 2020年2月7日~3月9日 | 2020年7月21日~8月19日 | 2020年3月16日~4月15日 |
試験日 | 2020年4月26日(日) | 2020年9月27日(日) | 2020年6月7日(日) |
一次試験は年2回あるものの二次試験は年1回しかないところがつらいですね😥
勉強を開始する前にしっかりスケジュールを組んでおく必要がありそうですね。
2020年分は新型肺炎の影響でスケジュールが変更となっています。詳細は証券アナリスト協会でご確認ください。
なお勉強方法は別の記事がありますので、こちらを参考にしてください↓
Q&Aの記事も作りましたので、こちらもどうぞ↓
受験料
内容 | 費用 | 内訳など |
---|---|---|
一次試験【受講料】 | 56,500円 | 一般受講者 |
一次試験【受験料】 | 12,700円 | 証券6,300円、財務3,200円、経済3,200円 |
二次試験【受講料】 | 53,500円 | ー |
二次試験【受験料】 | 8,400円 | ー |
合格後の費用 | 28,000円 | 入会金10,000円、年会費18,000円 |
合計 | 187,100円 | ー |
なんとお高い・・・😅
費用がかかるのは証券アナリストあるあるなのですが、受験する際は所属する会社の資格補給制度を確認しておいた方がいいですね!(大抵の会社は合格したらお金をくれると思います)
科目・試験時間・出題範囲
- 証券分析とポートフォリオ・マネジメント(180分):
計量分析と統計学、ファンダメンタル分析、個別資産の分析・評価、ポートフォリオ・マネジメント
- 財務分析(90分):
会計学、財務諸表分析
- 経済(90分):
ミクロ経済、マクロ経済、金融と財政、国際経済
- 証券分析とポートフォリオ・マネジメント:
計量分析と統計学、ファンダメンタル分析、個別資産の分析・評価、ポートフォリオ・マネジメント
- コーポレート・ファイナンスと企業分析:
財務会計、財務諸表分析、コーポレート・ファイナンス、コーポレート・ガバナンス
- 市場と経済の分析:
ミクロ経済学、マクロ経済学、経済・金融の諸問題
- 職業倫理・行為基準
※試験時間 午前:210分 午後:210分
一次試験と二次試験は重複する分野が多いです。
それぞれ過去の出題傾向から勉強する分野がある程度絞れるので、絶対に全てマスターしてやろうと意気込んではいけません。
ここでも先程ご紹介した記事が参考になると思いますので、気になる人はチェックしておいてください。
合格率


合格率は意外と高いですが気は抜けない、なんとも微妙な水準ですね😅
ちなみに、この様なデータもありますよ↓


実際のところ勉強がスタートすると「この分野はここだけ勉強」という形で学習を進めていくので、合格率は全然意識しなくてOKだと思います!
難易度
よく同レベルの資格として挙げられるのが「中小企業診断士」や「簿記1級」あたりですね。
簿記2級やFP2級のノリで受験してしまうと流石に撃沈する可能性が高いので、それなりのモチベーションで挑んでくださいw
しかし(他の金融系資格にも言えることですが)実務をある程度勉強している人は「まったく1から勉強」という訳ではないので、個人的にはスーッと勉強に入っていくことができましたね。
まとめ
ここまでザックリと説明してきましたが、いかがだったでしょうか。
私が元銀行員ということもありますが業務上必要ではない方でも、個人で運用する際には基礎知識レベルは必要なのかなと思います。
気になった方は本屋でテキストの立ち読みをしてみるのもよいかもしれませんね。
以上です。
さいごに、ここまで読んで頂いたみなさまに感謝🙏
(本記事内で紹介させて頂いた記事はこちら)