
- 銀行員はオワコンという風潮があり将来が心配
- もし本当にオワコンならどうしたらいい?

- 銀行に約11年勤務後フリーランスになった私から、客観的、主観的にお答えします。
- 法人向けの営業はしばらく大丈夫、個人向けの営業は厳しいと思います。
- それよりも、自分自身にとって銀行員である必要性について考えることが重要。
- 生きていく道はたくさんあります。
「銀行員」は必要とされているか

いきなり刺激的な言葉を出してすいません。
でも、このテーマは「銀行員」であるみなさま、そしてその他の方々も気になっているホットな話題だと思います。
このテーマの答えについては、銀行員が必要とされているかという視点に立って考えましょう。
この3点につき、私なりの見解は以降の通りです。
法人にとっては必要とされている仕事
私の結論は、当面の間は必要とされるです。
法人にとってを考えるにあたり、政府が日本経済をまわす上で「銀行員」が必要なのか、という視点で考えてみます。
日本企業の大半は中小企業
まず日本企業の現状を把握しておきましょう。

上図の通り、約99%以上は中小企業(企業数ベース)です。
また従業員数から見ても約70%が中小企業に勤めています。
この統計から、政府は中小企業を無視して経済を回すことはできず、中小企業の資金繰り支援が必要となりため、それを担う「銀行員」にも当面の間は仕事があると考えます。
AIに仕事を奪われる可能性は当面ない

AIに「銀行員」の仕事が奪われるかもしれない
こちらについても、当面の間は奪われないというのが私の結論です。
大手IT企業によるスコアレンディング(完全スコアリングによる融資判断)の技術が向上しているとはいえ、現時点で対象者は個人が中心。
先日まで法人営業に従事していた私の体感ですが、法人には行き届くにはまだまだ時間がかかりそうな状況です。
また(「銀行員」のみなさんには釈迦に説法ですが)法人の事業資質や返済能力は、決算書や口座の入出金のデータだけでは計れません。
企業のオーナーと実質一体の会社ではその法人と個人を合算で検証する必要があり、そのデータはマイナンバーなどで収集できれば実現可能かもしれませんが、このデータを民間企業に開示するとなると多くの国民から反対されることが想定されます。
よって実質的に不可能だと考えます。
また、「銀行がもっている情報資産をAIに判断させる」ということはすぐに出来そうですが、「銀行員」という人間味を必要としている中小企業はたくさんいる様にうかがえます。
この点についても私の経験則に過ぎないのですが、同じ様な感覚をもっている「銀行員」の方は多いのでは無いでしょうか。
ちなみに私は、中小企業の社員さんからコメントを求められ、お客さまの社内稟議で「○○銀行の○○さんが言っている」というエビデンス(証拠・根拠)に使われてたこともありました 😅
個人にとっては必要とされていない
私の結論は、近い将来に必要とされなくなるです。
政府の目線とYouTube
政府は個人口座に眠っている膨大な預金を運用に回すという使命を負っており、この視点から必要とされているという見方は出来るでしょう。
これは「銀行員」に限らず、証券会社や保険会社の個人営業に従事する人(以下「個人向け金融マン」と呼びます)にも言えることだと思います。
しかし私はこれらの個人向け金融マンに必要とされるという意見に否定的です。
なぜなら、必要な情報はYouTubeなどで簡単に手に入るからです。
資格があるので安心?情報収集コストは低下している
一昔前は、経済誌や難しい本で市場理論を学習しなければ理解することが困難な状況であったため、その時代においては個人向け金融マンは価値があったと思います。
資格をもっていることも権威性を維持する一つの要因だったと思います。
でもみなさん、最近YouTubeを見る機会が多くなりましたよね。
そこに落ちている情報は、正直、元銀行員が見ても有益なものが多いです。
さらに、YouTubeなどで紹介されている言い回しは「証券・銀行員や保険セールスマンに騙されるな」「手数料ハンターだ」という煽りが多く入っています。(私も観ていて心が痛みますが・・・)
そのYouTubeをみた人はどのように感じるでしょうか。
ここまで読んでいただいて、いまいちピンとこない方は、両学長のリベラルアーツ大学というYouTubeチャンネルがおすすめなので、よろしければ参考にしてください。
自分自身が必要としているかが重要
ここまでのお話は予想に基づいた見解でした。最後は自分自身に問いかけてほしい内容になっています。
これは労働の対価として賃金を得るだけでなく、例えば、銀行業務に従事することで資産運用知識を習得し自らの人生に役立てるなどの、+αの視点から自分自身が必要としているかを考えたものです。
私の結論は・・・残念ながら必要ないです。
資産運用という観点では、さきほど説明をした情報収集のコストが大幅に下がっているため必要性は乏しいです。
ではそれ以外の特権は無いのでしょうか。
銀行員の特権とは
私が銀行員時代に感じていた特権、それは、普通じゃ会えない会社の社長など偉い人に会えるという点だと思っています。
私も大変貴重な経験をさせて頂きましたが、そこで得られたものとは価値観や思想です。
しかしこのSNSの時代には「銀行員」でなくとも、たくさんの人の思想を見ることが出来ます。
どちらの方が質が良いかは個人の感覚によると思いますのでここで言及はしませんが、「銀行員」として活動しながらそういった経験を得るよりも「銀行員」の枠を出て多くの時間を使ってたくさんの情報を得る方が有益と思っています。
また銀行員には言えない本音やプライベートなコミュニティに参加しそこで得られる情報なども踏まえると、有益性はより増してくると思います。
銀行員でいながらプライベートなコミュニティに参加することはもちろん可能ですが、ここでは限られた時間をいかに有意義に使えるかという観点から説明しています。
いずれにせよ下火になっていることは確かそうです
これが総論です。早かれ遅かれ終わります。
銀行員はどうすればいいのか?

シンプルに別の仕事をさがすべきだと思います。
銀行員が無能だとは思っていません。
むしろ金融知識があり、社会と接点が多い職業、地味な仕事も淡々とこなせるなど、素質は十分あると思っています。
では具体的にどの様な仕事に向いているか、それは・・・長くなってしまったので次回以降お話をさせてください😓
= 2020年11月18日追記 =
銀行員が向いているお仕事に関する記事を書きましたので、こちらもご参考にしてください。
以上です。
さいごに、ここまで読んで頂いたみなさまに感謝🙏